レーシック手術後に「コンタクトができないのでは?」という不安を抱える方は少なくありません。
視力が安定しない期間にコンタクト装用が禁止されることや、従来と角膜の形状が変わることで以前使用していたレンズが合わなくなるケースがあるため、多くの人が戸惑いや不安を感じます。
また、カラコンやハードコンタクトのように使用条件が厳しいタイプもあるため、術後のケアや選択肢には正しい知識が不可欠です。
本記事では、レーシック後にコンタクトレンズが使えない医学的な背景や理由、注意すべきポイント、視力が低下した場合の対処法、さらには再度コンタクトを安全に使うための方法までを詳しく解説します。
この記事を通じて、術後の不安を解消し、安心して目元のケアができるような情報を丁寧にお届けします。
記事のポイント4つ
- レーシック後のコンタクト使用制限の理由と回復目安
- 術後でも使えるカラコンやハードレンズの選び方
- 視力低下時の対応策とおすすめレンズの紹介
- 医師監修の安全なコンタクト選定法と注意点
レーシック後コンタクトできない原因と医学的背景
手術後すぐは装用NG!?レーシック後コンタクトいつから安全に使えるか

レーシック手術後は角膜が一時的に不安定になるため、医師の指示があるまでコンタクト装用は原則禁止です。
手術により角膜の表面を削る処置が行われるため、傷の回復と角膜の再成形には時間がかかり、この期間中にレンズを装用すると感染や形状変化を招くおそれがあります。
また、角膜の治癒状態は個人差が大きく、年齢や体質、術式によっても変動するため、一律の装用再開時期を設けるのは難しいのが現状です。
視力が安定するまでは通常3〜6ヶ月程度を要するとされ、この期間は裸眼または眼鏡での生活が推奨されます。特にカラコンやハードレンズは装用による角膜への圧力が大きく、再フィットに高い精度が求められるため、医師とよく相談の上での慎重な判断が求められます。
参考:米国眼科学会(AAO)2024年推奨ガイドラインによると、視力安定には通常3〜6か月を要するとの記載があります。
カラコン好き必見!レーシック手術後はカラコンできないの真実

術後にカラコンを装用する場合は特に注意が必要です。色素が直接角膜に接触する製品は、回復途中の角膜に負担をかけるリスクがあります。
レーシック手術によって角膜の構造や厚みが変化するため、装用中に刺激や違和感を覚えやすく、角膜障害やドライアイが悪化する可能性も否定できません。
特に術後早期では、表面の上皮が完全に再生していないことも多く、異物感や軽度の炎症が起こりやすいため、慎重な使用判断が求められます。
どうしても使いたい場合は「サンドイッチ構造」で作られた高品質な製品を選び、必ず眼科医の診察と許可を得てから装用するようにしましょう。
また、レンズの素材や酸素透過率にも注意し、必要に応じて1日使い捨てタイプなど衛生的な製品を選ぶことも推奨されます。
使用後には目の赤みや乾燥感などの変化に敏感になり、異常があればすぐに使用を中止することが大切です。
参考:日本カラーコンタクト協会の安全基準(2023年)では、サンドイッチ構造の重要性が示されています。また、厚生労働省による医療用カラコンの安全使用に関する通知でも、術後の角膜状態への配慮が求められています。
ハードコンタクトは使える?レーシック後ハードレンズ適合のコツ

レーシック後の角膜は手術前よりも扁平化しており、通常のハードレンズではフィットしないケースもあります。
特に角膜の中央部が平たくなることで、従来のベースカーブではズレや痛みが生じやすくなるため、レンズが安定せず装用が困難になることもあります。
このような状況では、術後の角膜形状に合わせた特殊なカーブ設計のハードレンズや、角膜地形図を基に精密に調整されたオーダーメイド型レンズの使用が推奨されます。
さらに、レンズがずれることによる視力のブレや、レンズのフチが角膜に擦れて炎症を起こすリスクも考慮しなければなりません。
装用感の悪化が生活の質を下げる原因になるため、初期装用の段階で専門医によるフィッティングチェックが重要となります。
ハードコンタクトは高度管理医療機器に分類されており、安全性の観点からも、眼科専門医の診察と処方を必ず受けたうえで装用を開始することが強く推奨されます。
ベースカーブが合わない!?レーシック後コンタクトベースカーブの選び方

ベースカーブ(BC)はレンズと角膜のカーブの適合性を示す重要な指標であり、術後はこのカーブが変化するため、従来のBCが合わなくなることが多いです。
レーシック手術では角膜の屈折力を調整するために中央部を削る処置が行われるため、術前よりも角膜のカーブがフラット(扁平)になる傾向があります。
その結果、もともと使っていたコンタクトのベースカーブではズレや違和感を生じやすくなり、視界のにじみやレンズのズレによる不快感が出る場合もあります。
特にハードコンタクトやカーブが限定されるカラーコンタクトは、BCが合わないことで装用できなくなることもあるため注意が必要です。
したがって、術後に新たなコンタクトレンズを検討する際は、最新の角膜形状を専用の機器で正確に測定した上で、再度BCの合った製品を選ぶことが大切です。
眼科での診察を受け、必要に応じてオーダーメイドレンズやBCバリエーションの多い製品を検討するのが望ましいです。
参考:オルソケラトロジー協会の測定手法(2022)
術後のぼやける症状は危険?レーシック術後ぼやける原因と対策

術後に「視界がぼやける」と感じる場合、ドライアイや角膜の浮腫(むくみ)、微小な炎症などが主な原因として考えられます。
レーシック後は一時的に角膜の神経が切断されるため、涙液の分泌が減少してドライアイになりやすく、これが視界のかすみやぼやけの大きな要因となります。また、術中に発生する微細な角膜浮腫や炎症も視界の明瞭度を低下させます。
特に術後1ヶ月以内のぼやけは自然回復することも多いですが、症状が長引いたり、片目だけが極端に見えにくくなるなど異常がある場合は、速やかに眼科を受診することが重要です。
適切な診断を受けないまま自己判断で放置すると、炎症の慢性化や感染症のリスクにつながる可能性があります。
市販の目薬には防腐剤が含まれているものもあり、術後の敏感な角膜に刺激を与える恐れがあります。したがって、市販薬での対応は避け、必ず眼科医から処方された点眼薬を使用し、定期的なフォローアップも欠かさないようにしましょう。
10年後に視力低下したら?レーシック後のコンタクト活用と再矯正の選択肢

レーシックの効果は永続的ではなく、加齢などにより10年後に視力が再低下するケースもあります。
特に老眼(加齢性の遠視)や再近視化などが進行することで、手術当初の視力を維持できなくなるケースが一定数存在します。
ある研究では10年後に-1D以上の再近視化が60〜70%で発生するとの報告もあります(PMC4820531, 2016)。これは加齢による眼軸長の変化や、水晶体の硬化、調節機能の低下などが複合的に影響するためと考えられています。
視力が低下した際に、再度コンタクトを使うことは技術的に可能ですが、角膜形状が変化しているため、術前とは異なるベースカーブやレンズ設計が必要になるケースがほとんどです。
そのため、新たに角膜測定を行い、適切な再フィッティングを受ける必要があります。
また、視力矯正手段として再手術(リタッチ)を検討することも可能ですが、角膜厚が十分でない場合や、角膜が不均一になっている場合は安全上実施できないこともあります。
そのため、再手術の可否は眼科医による精密な診察と角膜地形図の解析に基づき、慎重に判断される必要があります。
将来的に視力の変化が予測される年齢層では、リタッチの選択に加えて、補助的にコンタクトレンズや眼鏡を併用するプランも視野に入れて検討すると安心です。
レーシック後コンタクトできない時の安全な対処法
おすすめレンズを徹底比較!レーシック後コンタクトおすすめランキング

レーシック後でも安心して使えるコンタクトには以下のような製品があります:
- ワンデーアキュビューオアシス(Johnson&Johnson):乾燥しにくくドライアイに優しい。特に術後に涙液量が減少しがちな方には最適な素材設計で、終日快適な装用感を実現しています。
- メニコンプレミオトーリック(メニコン):トーリック設計で乱視矯正に適しており、角膜の形が変化している術後でも安定した視力補正が期待できます。レンズ素材も酸素透過性に優れ、長時間の装用にも配慮されています。
- HOYAマイデイ(HOYA):BC(ベースカーブ)の種類が多く、さまざまな角膜形状にフィットしやすいのが特徴です。さらに、紫外線カット機能も備えており、日常使いとしても安心感があります。
- シードワンデーピュアうるおいプラス(SEED):国産で安心、天然保湿成分が配合されており、ドライアイ傾向のある方や長時間パソコン作業を行う方におすすめです。
- アルコン デイリーズ トータルワン(Alcon):涙に近い保湿設計で、装用時に「つけていないような感覚」を重視したい人に支持されています。終日使用しても乾きにくく、装着感の良さで高評価。
※本製品情報は医療機関の推奨資料やメーカーの公的スペックを参考に構成しています(PRではありません)。
選ぶ際は「低含水」「酸素透過性が高い」「BCのバリエーション豊富」な製品を重視するのはもちろん、使用目的(例:仕事・運転・外出用)や生活スタイルに応じた選定も重要です。
また、必ず眼科医と相談したうえで、自身の角膜状態に合った製品を選ぶようにしましょう。
費用はどのくらい?レーシック後に再びコンタクト購入するコスト比較

レーシック後にコンタクトを使う場合の費用は以下の通りです(2025年4月時点、主要通販サイトおよび眼科クリニックでの平均価格帯):
- ソフトコンタクト(ワンデー):月額5,000〜8,000円目安。主に日中の装用に使用されるため、頻繁に交換が必要なワンデータイプでは、1日あたりのコストが200〜300円程度となり、年間では60,000〜96,000円程度の出費となる可能性があります。
- ハードコンタクト(長期使用型):初期費用20,000〜30,000円に加えて、専用ケア用品(月額1,000〜2,000円程度)が必要。レンズ自体は長期使用が可能なため、数年単位で見ればコストパフォーマンスは高めですが、破損や紛失時の買い替え費用も考慮が必要です。
- オーダーメイド型:1枚30,000円〜と高額になる傾向があり、両眼分では60,000円以上になるケースも少なくありません。さらに、初回の診察料やフィッティング調整費用なども発生するため、トータルでの出費は10万円を超えることもあります。
特にレーシック後の角膜形状に合わせた特殊設計のレンズ(特殊ベースカーブ、トーリック型、ハイブリッドレンズなど)は、自由診療扱いとなることが多く、健康保険が適用されないケースが一般的です。
そのため、事前に複数の眼科クリニックで費用見積もりを取り、内容と料金に納得した上で選択することをおすすめします。また、アフターケアの有無(無料再調整、定期検診代など)も比較検討するポイントとなります。
視力低下しても諦めない!レーシック後視力低下回復方法とコンタクト併用例【体験記】

実際に視力が低下した患者の例として、「40代男性が術後10年で視力が0.8まで落ちたものの、低度近視用のコンタクトを併用して生活に支障がなくなった」という報告があります。
術後しばらくは裸眼で快適に生活していたものの、加齢とともに近視の再発が見られ、夕方の視界のぼやけや長距離運転時の見づらさに悩まされるようになったそうです。
そこで、眼科で角膜の形状を再計測したうえで、低度矯正用のソフトコンタクトを処方。現在は日常生活や仕事でも快適に過ごせているとのことです。
回復方法としては以下の手段が挙げられます:
- 視力に応じた再フィッティングによるレンズ処方(術後角膜に対応したベースカーブの選定を含む)
- 夜間運転や映画鑑賞など、視力が必要なシーンに限定して使用する補助眼鏡との併用
- アイリラクゼーションによる眼精疲労の軽減(ホットアイマスクや軽度マッサージ、ブルーライトカットメガネの活用など)
視力が完全に元通りになるわけではありませんが、ライフスタイルに合わせた視力補助ツールを取り入れることで、再手術に頼らず快適な視生活を維持することが可能です。
レーシック後視力低下でもコンタクトできる?医師が語る条件と注意点

眼科専門医によれば、「角膜の安定性が確認できればコンタクト使用は可能」とされています。ただし、術後の経過や目の状態には個人差があるため、以下のような条件を満たすことが前提となります:
- 術後1年以上が経過し、定期検診でも視力が安定していると診断されている
- 角膜に瘢痕(はんこん)や表面の傷がなく、光の屈折が乱れない状態が保たれている
- ドライアイや感染症、慢性的な炎症が見られない健康な眼状態である
- レンズ装用時に強い異物感や痛みが出ない(フィッティングが適切)
さらに、レンズ選定には十分な診察と角膜の形状測定が必要で、通常はハードやオーダーメイド型が選択肢になることが多くなります。
装用時は1日8時間以内・こまめな点眼と休憩を徹底することが望まれ、パソコン作業や空調による乾燥環境では特に注意が必要です。
また、定期的に眼科を受診し、角膜状態のチェックとレンズの再調整を行うことで、長期的にも安心して使用を続けられます。
レーシック後コンタクトできない悩みは正しい知識で解決

まとめ:レーシック後にコンタクトできないと感じたら、まずは医師に相談し、正しい情報を得ることが重要です。
- 術後の視力や角膜状態に応じて、適したレンズを再選定。特に角膜の再成形後には、従来のベースカーブが合わないことが多く、最新の角膜測定結果をもとにした精密なフィッティングが不可欠です。
- 10年後の視力変化にも対応できる設計のレンズを選ぶ。年齢による近視戻りや老眼の進行を見据え、長期的に対応できるレンズ選定と、必要に応じた変更が可能な柔軟な製品を視野に入れましょう。
- 適正な使用時間とケア方法を守る。装用時間の目安(1日8時間以内)や乾燥対策としての点眼、装用後のレンズ洗浄・保管方法にも注意を払い、角膜への負担を最小限に抑えることが大切です。
- 医療機関での定期検査を継続。視力の変化や角膜の状態を把握するためには、3〜6ヶ月ごとの眼科受診が望ましく、異常の早期発見・対応が安全性につながります。
正しい知識を持つことで、不安を取り除き、術後のコンタクト生活も無理なく快適に続けることができます。医師と連携しながら、自分の目の状態を理解し、最適なケアを選びましょう。